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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

川上 未映子

大阪府大阪市城東区出身の小説家・詩人。大阪市立工芸高等学校デザイン学科を卒業後、本屋やホステスとして働きながら生計を立てた。2002年に歌手としてデビューし音楽活動を行ったのち、文筆の世界へ転じる。

35,782件のインターネット上の評価データを分析した、おすすめ小説ランキング

掲載作品数
20作品
総レビュー数
35,782件
高評価率
54%
★4以上の割合
最多レビュー作品
すべて真夜中の恋人たち
6,151件
最も高評価率の作品
きみは赤ちゃん
83%(2,775件)
最も賛否が分かれた作品
乳と卵
低評価・高評価ともに22%以上

データから見える特徴

全体の高評価率は過半数をやや上回る程度にとどまり、作品ごとの評価の開きが大きい傾向があります。エッセイ・ノンフィクション系の作品が上位に集まる一方、レビュー数が最多の小説は高評価率が平均を下回っており、知名度と満足度が必ずしも一致していません。2010年代以降の作品がランク上位に目立ち、初期の小説作品は賛否が割れやすい傾向が見られます。

  • 「乳と卵」は高評価・低評価がともに拮抗しており、最も賛否が割れた作品
  • エッセイ・対談集はレビュー数が少なくても高評価率が高い作品が目立つ
  • レビュー数の中央値を大きく超える作品は一部に集中しており、注目度の格差が大きい

ながら聴きでもご視聴いただけます

ランキング

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1きみは赤ちゃん

きみは赤ちゃん

2014年刊行

6,969pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

妊娠中・育児中の人はもちろん、パートナーや周囲の理解を深めたい人にも向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 妊娠・出産・育児の体験が高い共感を呼ぶという声が多い
  • 複雑な感情をユーモアを交えて言語化する筆力が評価されている
  • 笑いと涙が共存する読み応えが支持されている

賛否が分かれる点

  • 感情の起伏の激しい描写についていきにくいという意見もある

内容紹介

35歳での初めての妊娠・出産を経て、赤ちゃんが1歳の誕生日を迎えるまでの約1年間を克明に綴った、異色の出産・育児エッセイです。芥川賞作家ならではの鋭い観察眼と豊かな表現力で、つわりの苦しみ、マタニティブルー、分娩の壮絶な体験、産後クライシス、仕事と育児の両立に至るまで、赤裸々かつユーモラスに描き切ります。産前産後はホルモンの奴隷、と言わしめるほどの怒涛の日々は、共感の嵐を呼び、多くの読者から「自分が感じていた言いようのない感情を代弁してもらえた」という声が寄せられています。また、育児における男女の役割の非対称さや夫婦間の葛藤にも率直に向き合い、女性だけでなく男性読者にも深く刺さる内容となっています。お腹の赤ちゃんは100パーセントこちらの都合でつくられた命、だからこそ100パーセントの無条件で全力で受け止めるのが筋、という言葉には、命と向き合う覚悟と愛情が凝縮されています。号泣して、爆笑して、命の愛おしさを感じる一冊です。

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絶賛1,401
好評924
普通343
不評64
酷評43

TOTAL 2,775 reviews

2黄色い家

黄色い家

2023年刊行

6,641pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

貧困や社会格差、人間の弱さをリアルに描いた重厚な物語を読みたい人向け

読者の声を分析

支持されている点

  • 貧困と犯罪への転落を描くリアルな心理描写
  • 読む手が止まらない物語の牽引力
  • お金と人間関係の本質を突く社会的テーマ

賛否が分かれる点

  • 長大な分量と重さによる読書疲れを訴える声がある
  • 結末や全体の読後感に物足りなさを感じる意見もある

内容紹介

「金はいろんな猶予をくれる。考えるための猶予、眠るための猶予、病気になるための猶予」。そんな言葉が胸に刺さる、貧困と犯罪を描いた圧巻のクライムサスペンスです。主人公の花は、あるニュース記事に20年前の知人の名前を見つけ、封印していた記憶を呼び起こします。17歳の夏、家を出た花は謎めいた女性・黄美子と出会い、蘭、桃子ら少女たちと「黄色い家」で疑似家族のように暮らし始めます。しかし生活を守るため、カード犯罪という闇の仕事に手を染めた彼女たちは、危ういバランスの中でじわじわと崩れていきます。「使えないカードしか持っていない女の子たちの物語」と評された通り、貧困の連鎖から抜け出す術を持たない少女たちが、転がり落ちるように変貌していく様は読む者の心を締め付けます。純文学の鋭利さと大衆文学の推進力を併せ持つ筆致が、脆い人間関係の歪みを容赦なく抉り出す、600ページ超の問題作です。

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絶賛1,369
好評1,926
普通1,353
不評314
酷評98

TOTAL 5,060 reviews

3夏物語

夏物語

2019年刊行

5,782pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

出産・生命・女性の身体をめぐる問いに向き合いたい読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 感情・情景描写の文章力が高く評価されている
  • 出産・生命・反出生主義など重いテーマへの真摯な問いかけが支持されている
  • 大阪弁を活かした登場人物の生き生きとした描写が好意的に挙がっている

賛否が分かれる点

  • 全体的に長く展開が緩やかで読み進めにくいという声がある
  • 第一部が既刊の焼き直しという点に戸惑う意見がある

内容紹介

大阪の下町で生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子。彼女には、ひそかに燃え続ける願いがあった。パートナーもなく、相手もいない、それでも「自分の子どもに会いたい」という切実な思いだ。精子提供という選択肢を真剣に探るうち、AIDで生まれ、見知らぬ父を探し続ける青年、逢沢潤と出会う。「子どもを産むことは、親の身勝手な賭けだ」と言い放つ逢沢の恋人・善百合子の言葉は、夏子の心に深く食い込んでいく。生まれることに自己決定はない、しかし産むことには自己決定がある、この非対称をどう埋めればよいのか。大阪弁が炸裂する爆笑の第一部と、重厚な生命の問いへと深く潜っていく第二部の二部構成で、難しいテーマを異様な密度で書き切った作品だ。この物語には、人が生まれて生きて、そしていなくなることの、すべてがある。

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絶賛1,143
好評1,147
普通692
不評195
酷評92

TOTAL 3,269 reviews

4ヘヴン

ヘヴン

2009年刊行

4,538pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

いじめや善悪の本質を深く考えたい読者、純文学の重厚な読み応えを求める人に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • いじめ描写の壮絶さとリアリティが評価されている
  • 善悪や意味をめぐる哲学的問答の深さが支持されている
  • 美しい文体と重テーマのコントラストが高く評価されている

賛否が分かれる点

  • いじめ描写が辛すぎて読み進めにくいという声がある
  • 中学生らしからぬ哲学的対話に違和感を覚える声もある

内容紹介

十四歳の「僕」は、斜視を理由に毎日激しい嫌がらせを受けていた。ある日、筆箱の中に一枚の小さな紙片を見つける。そこには「わたしたちは仲間です」とだけ書かれていた。差出人は、同じクラスで不潔だと嘲られ続けているコジマという少女だった。苛められる者同士が手紙を交わし、密やかな関係を育てていくが、その純粋な絆はやがて奇妙な方向へと変容していく。コジマは言う、「わたしたちには、しるしがある、わたしたちは弱いんじゃない、受け入れている強さを持っているの」と。一方、傍観者として君臨するクラスメイトの百瀬は、まるで別の哲学を静かに語りかけてくる。苛める側といじめられる側、受け入れることは強さなのか弱さなのか、善悪の根源とは何か、といった問いが鋭く交差していく。著者初の長編でありながら、ニューヨーク・タイムズをして「彼女は何も恐れない作家だ」と言わしめた本作は、息を呑むようなラストで読者を静かに圧倒する純文学の傑作。

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絶賛914
好評1,421
普通1,516
不評525
酷評157

TOTAL 4,533 reviews

5すべて真夜中の恋人たち

すべて真夜中の恋人たち

2011年刊行

4,314pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

静かな孤独感や大人の不器用な恋愛描写に共鳴できる読者向け。

読者の声を分析

支持されている点

  • 詩的で繊細な文体が読後の余韻を生む
  • 人間関係の不器用さやリアルな孤独感の描写
  • 校閲という職業設定と主人公像の一致感

賛否が分かれる点

  • 派手な展開がなく淡々とした展開に物足りなさの声
  • 主人公の受動的な言動に共感しづらいという意見も

内容紹介

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」という一文から始まる、静謐な純愛の物語です。主人公の入江冬子は34歳のフリーランス校閲者。人との関わりを極力そぎ落とし、誰もいない部屋でひたすら文字の誤りを探す日々を送っています。唯一の友人といえる出版社員の石川聖との関係だけを頼りに、ひっそりと生きてきた彼女がある日、カルチャーセンターで58歳の物理教師、三束さんと出会います。光の性質を静かに語る三束さんとの会話が、冬子の内側に、これまで経験したことのない感情を芽生えさせていきます。「どんな真夜中も、どんな大恋愛も、風化する」という言葉が示す通り、これは成就しない恋愛を描いた物語でもあります。しかし読者が心を揺さぶられるのは、恋の行方だけではありません。「いかに覚えていること」と「いかに忘れるか」という、生きることそのものへの問いが、作品全体に静かに通底しています。「光」というモチーフが96回も登場するこの作品は、哀しくも希望のある結末で、読後に深く澄んだ余韻を残します。

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絶賛1,062
好評1,727
普通2,206
不評877
酷評279

TOTAL 6,151 reviews

6みみずくは黄昏に飛びたつ

みみずくは黄昏に飛びたつ

2017年刊行

3,818pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

村上春樹作品に親しんでいる読者や、小説の創作論・文体論に関心がある人に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 川上のインタビュアーとしての鋭さと熱量が高く評価されている
  • 村上春樹の創作プロセスや文学観が深く引き出されている点が好評
  • 女性描写へのフェミニズム視点からの切り込みが新鮮と感じる声が多い

賛否が分かれる点

  • 川上が過去発言を持ち出す場面が話の流れを妨げるとの指摘がある
  • 騎士団長殺し未読だと中盤以降楽しみにくいという声がある

内容紹介

「ようこそ、村上さんの井戸へ」という言葉から始まる本書は、芥川賞作家にして、十代から村上文学を愛し続けた作家が、超ロングインタビューという形式で村上春樹の最深部へと迫った、比類なき記録である。少年期の記憶、意識と無意識、創作の秘密、世界的名声、そして死後のこと、さらにはフェミニズムの視点から女性の描かれ方まで、誰もが知りたくて訊けなかった問いを、鋭く、そして果敢にぶつけていく。村上作品の登場人物を本人よりも克明に記憶するほど読み込んだインタビュアーの「切実さ」は、対談嫌いで知られる村上春樹をして「退屈している暇はなかった」と言わしめた。地下二階という概念、比喩の生まれ方、書き直しへのこだわり、そして物語が持つ力の大きさ。作家と作家が井戸の底で交わした言葉の数々は、村上文学の愛読者はもちろん、小説を書くこと、読むことの本質に触れたいすべての人に届く、金字塔的な一冊である。

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絶賛431
好評265
普通119
不評24
酷評5

TOTAL 844 reviews

7乳と卵

乳と卵

2008年刊行

2,946pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

女性の身体や母娘関係のテーマに関心がある読者、実験的な文体を楽しめる読者向け

読者の声を分析

支持されている点

  • 女性の身体と性への葛藤が生々しく描かれている
  • 終盤の卵をぶつけ合う場面の圧倒的な迫力
  • 関西弁の文体が慣れると独特のリズムを生む

賛否が分かれる点

  • 句読点が少なく改行もない文体が読みにくい
  • 内容や意図が掴みにくく評価が割れやすい

内容紹介

第138回芥川賞を受賞した名作中編小説です。大阪からホステスの姉・巻子が、娘の緑子を連れて東京の妹のアパートへとやってきます。目的は豊胸手術の下見。一方、思春期を前にした緑子は言葉を発することを拒み、ノートに思いを書き連ねる日々を送っています。女性の身体への執着と拒絶が、真夏の三日間という密度の高い時間軸の中で鮮烈に交差していきます。読点を多用した独特の文体は、まるで頭の中の声が直接流れ込んでくるような感覚をもたらし、選考委員の池澤夏樹をして「読んでいて声が聞こえてくる」と言わしめました。乳に執着する母と、卵子の存在すら疎ましく感じる娘。反目するようでいて、その根底には確かな親子の情が流れています。終盤、生卵をぶつけ合うという衝撃的な場面は、言語化できない感情の爆発であり、同時に殻を破る再生の儀式として読者の胸に深く刻まれます。

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絶賛703
好評1,312
普通2,116
不評852
酷評325

TOTAL 5,308 reviews

8あこがれ

あこがれ

2015年刊行

2,482pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

子どもの頃の感性や友情を懐かしみたい大人、純粋な成長物語を求める読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 子どもの心理・感情描写が的確との声が多い
  • 二人の純粋な友情が読者の胸に響くと評価されている
  • 自身の子ども時代を追体験させる筆力が支持されている

賛否が分かれる点

  • 一文が長く繰り返しの多い文体が読みにくいという意見も
  • 主人公の小学生の思考が実際より高度すぎると感じる読者もいる

内容紹介

おかっぱ頭のやんちゃ娘ヘガティーと、絵が得意でやせっぽちの麦くん。クラスの人気者ではないけれど、悩みも寂しさもふたりで分けあうとなぜか笑顔に変わる、最強の友だちコンビの物語。本作は二章構成で、第一章は小学四年生の麦くんの視点から、第二章は六年生になったヘガティーの視点から語られる。麦くんが淡い思いを寄せる水色まぶたのサンドイッチ売り場のお姉さん、そしてヘガティーが偶然知ったもうひとりのきょうだいの存在。それぞれが抱える切実な「あこがれ」を、ふたりは互いに支えあいながら向き合っていく。「会いたいって思ったときにはもういなくなったりするんだよ。人ってたぶん、ものすごく簡単に」という言葉が静かに胸を刺す。難しい言葉は使っていないのに、子どもの心情を鋭く、そして繊細に描き切る筆力は圧倒的。脆くはかないイノセンスを抱えながら全力で走り抜ける二人の姿が、読む者の遠い記憶をそっと照らし出す感動作。

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絶賛206
好評297
普通221
不評52
酷評13

TOTAL 789 reviews

9愛の夢とか

愛の夢とか

2013年刊行

2,261pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

文体や言葉の美しさを重視し、日常に潜む喪失や愛の余韻を味わいたい読者向け。

読者の声を分析

支持されている点

  • 詩的で美しい文体・独特のリズムへの高評価
  • 後半2篇(お花畑自身・十三月怪談)の完成度
  • 喪失や愛を描く繊細な心理描写

賛否が分かれる点

  • 前半作品は印象が薄いという声も
  • ストーリー性が薄く読みにくいと感じる層も

内容紹介

谷崎潤一郎賞を受賞した、著者初の短編集です。収録された七つの物語は、いずれもなにげない日常の裂け目に光を差し込むような作品ばかりです。アイスクリームショップに通い詰める男への密やかな恋心、ピアノの音を通じて育まれる女どうしの不思議な交流、十四年前の恋人との約束を胸に植物園へ向かう女性の孤独な旅路。どの物語にも、喪失と執着、そして愛の残酷さが静かに息づいています。なかでも後半の二作は読者の間でとりわけ評価が高く、愛着ある我が家を手放さなければならなくなった女性の狂気を描く「お花畑自身」はサスペンス風味の異色作。そして「十三月怪談」は、若くして世を去った妻と残された夫、それぞれの視点が交差しながら生と死の時間感覚を問いかける感動的な作品です。句読点を排したリズミカルな文体と、漢字とひらがなを巧みに使い分ける詩的な筆致は、まるで朗読したくなるほどの心地よさです。甘さと狂気、現実と非現実のバランスが絶妙な、万華鏡のような一冊です。

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絶賛212
好評316
普通349
不評96
酷評26

TOTAL 999 reviews

10そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります

そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります

2006年刊行

2,217pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

川上未映子の原点に触れたいファンや、独特の文体・感性を楽しめる読者向け

読者の声を分析

支持されている点

  • 大阪弁による独特のリズム感が心地よいと評価されている
  • 感性と表現力の高さが作家デビュー前から際立つと支持されている
  • 笑いと深い思索が同居する中毒性が多く挙がっている

賛否が分かれる点

  • 文章が長く難解で読みづらいという声が一定数ある
  • 話題が飛びすぎて意味が掴みにくいと感じる読者もいる

内容紹介

もともとは「未映子の純粋悲性批判」と題されたブログをまとめたもので、歌手として活動していた三年間の日々が怒濤の大阪弁で綴られている。ドーナツへの愛着、サボテンの鉢植えへの深い思い入れ、両親の壮絶な争い、猫へのまなざし、宮沢賢治やゴッホへの切実な問いかけ。136本の短篇的な記録は、日常雑記の域を遥かに超えた密度を持つ。読者からは「気持ちとか感情とか、心の中の熱量がぎゅうと圧縮されて文字に全部注入されている」と評され、「訳の分からなさを十分楽しんだ」という声も上がる。大阪弁のリズムが生む独特の中毒性と、ものの見方の圧倒的な鮮度。作家になる前から川上未映子は川上未映子だったと、読者に確信を与える処女エッセイである。「才色兼備という言葉はこの人のためにあった」という評もあながち誇張ではない。

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絶賛191
好評233
普通217
不評57
酷評15

TOTAL 713 reviews

11深く、しっかり息をして

深く、しっかり息をして

2023年刊行

1,768pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

日常に疲れを感じている人や、著者の小説ファンで素顔を知りたい読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 語りかけるような文体が読者に親しみやすいと好評
  • 日常の感情を丁寧に言語化する表現力が評価されている
  • 10年超の連載を通じた著者の変化が読み取れる点が魅力とされている

賛否が分かれる点

  • 女性誌連載のため男性読者には遠く感じるという声がある
  • 小説と比べると踏み込みが浅いと感じる読者もいる

内容紹介

雑誌Hanakoにて12年間にわたって連載されたエッセイを、厳選してまとめた作品です。出産や育児、海外への渡航など、目まぐるしく変化する日々の中で綴られた80のエッセイには、メイクやファッションといった身近な話題から、社会における女性の在り方まで、幅広いテーマが収められています。読者レビューには「呼吸を意識する文章」「語り掛けられるように読むエッセイは特別」といった声が並び、その文体は頭の中で音読したくなるような独特のリズムを持つと評されています。また「かっこつけてないがカッコいい」と称されるほど、飾らない言葉の中に体の芯から響くものがあると言います。最初に息をして人生が始まり、最後に息が止まって人生が終わる。そんな言葉が象徴するように、日常の中に息づく生と死、喜びと悲しみを、やわらかくも鋭く見つめた一冊です。

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絶賛110
好評117
普通126
不評22
酷評2

TOTAL 377 reviews

12わたくし率 イン 歯ー、または世界

わたくし率 イン 歯ー、または世界

2007年刊行

1,655pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

言葉のリズムや実験的な文体を楽しめる読者、存在や自己をテーマにした純文学が好きな人向き

読者の声を分析

支持されている点

  • 独特の関西弁と句読点が生む中毒的なリズム感が支持されている
  • 「痛み」や「自己の所在」を身体で問う哲学的テーマへの共感が多い
  • 難解ながら最後まで読ませる圧倒的な熱量・文章の勢いが評価されている

賛否が分かれる点

  • 内容や論理が掴みにくく理解できないという声が多い
  • 後半になるにつれて失速・読み疲れを感じるという意見が複数ある

内容紹介

「人はどこで考えるのか。それは脳ではなく、奥歯だ。」そんな突飛な確信を持つ主人公が、歯科助手として働きながら、恋人を想い、まだ見ぬ我が子へ日記を綴る。著者のデビュー小説集であり、芥川賞候補となった表題作を収録。読点だらけで疾走する関西弁の文体は、まるで言葉の奔流に飲み込まれるような体験をもたらす。「わたし」と「私」と「わたくし」はどこが違うのか。「わたくし率はぱんぱんで奥歯にとじこめられておる。」という叫びは、自己の存在をめぐる哲学的な問いを、身体という具体的な場所へと引き戻す試みだ。意味をつかもうとすると逃げてゆくが、勢いとリズムに身を委ねると、切実な痛みと問いが胸に刺さる。観念を身体で攪乱する、瑞々しい実存の文学。

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絶賛215
好評286
普通497
不評166
酷評76

TOTAL 1,240 reviews

13春のこわいもの

春のこわいもの

2022年刊行

1,522pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

人間関係の暗部や心理的な怖さに関心がある読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 流れるような美しい文体が高く評価されている
  • 人間の心の闇や嫉妬・欺瞞の描写が秀逸という声が多い
  • コロナ禍の閉塞感と心理的恐怖の融合が評価されている

賛否が分かれる点

  • 各話の結末が曖昧で消化不良と感じる読者もいる
  • 文体や世界観に馴染めず共感しにくいという声もある

内容紹介

感染症が世界を変えてしまう直前の春、東京に生きる六人の男女それぞれの内面が、不穏な空気とともに描き出される短編集。ギャラ飲みを志願する女性、深夜の学校に忍び込む高校生、死を前に秘密を抱える老女、親友を密かに裏切り続けた作家。持てる者と持たざる者の残酷な格差、匿名の悪意、正当化されてゆく暴力的な衝動。「心じゃない、顔と向きあえ」という言葉が象徴するルッキズムの極地、そして女同士のフレネミー的関係が映し出す心理的ディストピア。読者からは「文章が流れるように入ってくる」「息が苦しくなる美しさ」と評され、特に最後の短編は「狂気」とも称される戦慄の幕切れを迎える。逃げられない恐怖が、甘美な文体に包まれて静かに忍び寄る。

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絶賛180
好評334
普通501
不評208
酷評64

TOTAL 1,287 reviews

14世界クッキー

世界クッキー

2009年刊行

1,517pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

川上未映子の文体や言葉へのこだわりに興味がある読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 独特の文体とリズムへの支持が多い
  • 日常を鋭く切り取る感性が評価される
  • 「母とクリスマス」など特定篇への共感が集まる

賛否が分かれる点

  • 一文が長く読みにくいという声もある
  • 抽象的な内容に波長が合わない読者もいる

内容紹介

体、言葉、季節、旅、本、日常など、あらゆる角度から紡がれた58篇のエッセイ集。髪の悩みを綴った「髪の思春期」、芥川賞の受賞決定を待つ緊張感を描いた「芥川賞のパーン。」、そして涙とともに一変した「母とクリスマス」など、著者が「とくべつな色合いをもつとくべつな瞬きであった」と振り返る2年間の記録。喫茶店で突然「全員が頭蓋骨を所有している」という当然の事実に驚き動けなくなる著者の感性は、こころとことばが隣り合わせの独特な世界を生み出す。読んだあとは、どこか世界が変わってみえる、一冊。

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絶賛85
好評172
普通162
不評40
酷評10

TOTAL 469 reviews

15発光地帯

発光地帯

2011年刊行

1,212pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

詩的な文章表現や言葉そのものの美しさを味わいたい読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 詩と日常の境界を溶かす独自の文体が高く評価されている
  • 日常の細部を光らせる言葉の選び方が支持されている
  • 各タイトルの美しさと散文詩的なリズム感が好評

賛否が分かれる点

  • 独特な文体が読みづらいと感じる声もある
  • 食エッセイを期待すると内容とのギャップが生じやすい

内容紹介

「食のエッセイでゆこうね」という約束から始まりながら、気づけばどこまでも深く日常の肌の奥へと潜り込んでいく、芥川賞・谷崎賞作家による日記的エッセイシリーズの第一弾。深夜にふと目覚めて少女漫画を読む時間、タイフェスでの情熱の空回り、記念切手をくれた友人へのお礼、純愛をめぐる静かな逡巡。何気ない出来事のひとつひとつが、詩を編むような言葉によって「まったく新しい肌触り」を帯びる。目次だけで一篇の散文詩のようで、ことばがひとつぶひとつぶきらりと発光し、まぶしくて目を細めてしまうほどと読者に言わしめる言語表現の数々。まさに「二十一世紀版清少納言」とも称される独自の文体で、自分の中にも発光地帯があるのだと、読み終えた後に静かに気づかせてくれる一冊。

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絶賛48
好評96
普通97
不評15
酷評3

TOTAL 259 reviews

16すべてはあの謎にむかって

すべてはあの謎にむかって

2011年刊行

1,152pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

川上未映子の文体やエッセイが好きな読者、震災当時を振り返りたい読者に向く

読者の声を分析

支持されている点

  • 独特の文体とリズムが心地よいと好評
  • 日常の細部への鋭い観察眼が評価される
  • 震災に向き合う誠実な姿勢が響くという声が多い

賛否が分かれる点

  • 震災エッセイが多く全体のトーンが重めとの意見も
  • 他エッセイ集より笑いが少なめと感じる読者もいる

内容紹介

芥川賞作家による人気連載エッセイを厳選・合本した一冊。日常の何気ないひとコマを「一見ゆるキャラ風の脱力系と思わせておいて、ふいに目線鋭く切り込んでくるから油断ができない」とレビュアーが評するほどの独特な文体で綴る。東日本大震災を経た時期のエッセイが多く含まれ、喜びも悲しみも、笑いも葛藤も、すべてが作家の鋭い感受性を通して掬い取られる。オモロイからロマンティックまで、読者の意表を突きまくる全60余篇。生きることの不思議と謎へ向かう、エッセイの精華。

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絶賛49
好評144
普通189
不評50
酷評7

TOTAL 439 reviews

17六つの星星

六つの星星

2010年刊行

1,148pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

川上未映子作品の既読者や、哲学・文学・生命科学に関心がある読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 異分野の専門家との対話が知的好奇心を刺激すると好評
  • 川上が各分野の第一人者と対等に渡り合う姿が評価されている
  • 作品の背景や思想が深く掘り下げられている点が支持されている

賛否が分かれる点

  • 哲学・生物学など内容が難解で理解しづらいという声が多い
  • 斎藤環との対談だけ雰囲気が異なるという指摘が散見される

内容紹介

精神科医、生物学者、哲学者、歌人、作家と、それぞれの分野の第一線に立つ六人を相手に繰り広げられる、圧倒的好奇心と知力の対話集。精神分析から生命科学、ジェンダー、言葉、哲学まで、縦横無尽に語り合いながら、著者の思考の軌跡がありありと刻まれていく。「各分野の権威たちと対等に聞きたいことを質問し、自分の思いを伝えられる素晴らしさ」と読者が評するように、忖度なしの問いかけが予想外の深みを呼び込む。難解でありながら感覚的な共鳴を随所に宿し、「思考が自然にほどけていくようで、読んでいてとても楽しい」という体験をもたらす一冊。

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絶賛42
好評84
普通56
不評10
酷評2

TOTAL 194 reviews

18ウィステリアと三人の女たち

ウィステリアと三人の女たち

2017年刊行

1,123pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

純文学や女性の内面描写を好む読者、幻想的・詩的な文体を楽しめる読者に向く。

読者の声を分析

支持されている点

  • 女性の内面や孤独を描く文章の美しさが高く評価されている
  • 各編に漂う静謐で幻想的な世界観が支持されている
  • 記憶・喪失・空虚さといったテーマの鋭さが評価されている

賛否が分かれる点

  • 後半2編は難解・イメージしづらいという声が複数ある
  • ストーリーの明確な解消がなく放り出される感覚を指摘する声がある

内容紹介

四つの短編から成るこの短編集は、記憶、愛、虚無をテーマに、女性たちの内面をとことん抉り出した作品集です。同窓会で過去の記憶が甦る女優、思いがけない大金を手にしデパートに入り浸る女性、同性の恋人と別れ愛の証明を問い続ける少女、そして解体されゆく家に忍び込み、老女ウィステリアの生涯に引き込まれていく主婦。どの話も、日常の小さな亀裂から封印された記憶や他者の人生へと引きずり込まれる構造を持ちます。読者からは「むせかえるような女くさい世界」「世界観に引き込んだ後、ズドンと落としてきて、ざらざらとした感覚が心に残る」と評され、研ぎ澄まされた言葉が人間の深淵を容赦なく照らし出します。

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絶賛62
好評126
普通185
不評56
酷評9

TOTAL 438 reviews

19先端で、さすわ さされるわ そらええわ

先端で、さすわ さされるわ そらええわ

2007年刊行

1,098pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

詩や前衛的な文体に抵抗がなく、言語表現そのものを楽しめる読者向き。

読者の声を分析

支持されている点

  • 独自のリズムと言葉の音楽性が高く評価されている
  • 女性の身体・性への強烈なエネルギーが支持されている
  • 散文と詩の境界を超えた新しい文体が評価されている

賛否が分かれる点

  • 意味が掴みにくく理解しづらいという声が多い
  • 強烈な表現で読み手を選ぶと感じる意見がある

内容紹介

第14回中原中也賞を受賞した7篇からなる詩集です。「よるべなき虚空をゆく一個の疑問符は何を貫き、何に融けるのか」という言葉が示すように、少女の身体感覚や性、生への純粋で巨大な問いが、大阪弁まじりの独特のリズムと圧倒的な言葉の密度で紡がれます。読者からは「詩集とは思えないほど頭の中の声がだだ漏れ」「渇いた身体にグビグビ水を飲んだような満ちていく感じ」と評され、理解を超えたエネルギーそのものが読む者を圧倒します。既存の文法を無視した自由奔放な文体でありながら、言葉が水のように脳の隙間へ入り込んでくると言われる、唯一無二の作品です。

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絶賛65
好評81
普通132
不評34
酷評8

TOTAL 320 reviews

20おめかしの引力

おめかしの引力

2016年刊行

1,065pt

TOTAL SCORE

こんな方におすすめ

ファッションや装うことに関心があり、自分本位のおめかしに共感できる読者向け

読者の声を分析

支持されている点

  • 「おめかし」と「おしゃれ」の違いを切り取る言葉の鋭さが評価されている
  • 共感を呼ぶ失敗談や物欲描写のリズム感ある文体が支持されている
  • 読後におめかし欲が高まるという高揚感が多く挙がっている

賛否が分かれる点

  • 前半と後半で難度や文体に差があり後半が読みにくいという声がある
  • ハイブランド中心の内容に距離を感じるという意見も見られる

内容紹介

ぶったおれるほど最高で、起きあがれないくらい不安。これがおめかしの引力です。芥川賞作家が朝日新聞に6年以上連載した大人気エッセイをまとめた一冊で、おめかしをめぐる失敗と憧れが軽妙な大阪弁まじりの文体で綴られています。わたしのおめかしとは失敗の連続である、というテーマを軸に、絶壁頭や骨盤へのコンプレックス、4万円下着の底力、マノロ・ブラニクでの全力疾走まで、泣き笑いのエピソードが続きます。おしゃれが他者の評価を意識するものだとすれば、おめかしとは自分だけが肯定できる主体的な行為。その深い問いかけが、ファッションへの熱狂と俯瞰の眼差しを行き来しながら展開されます。

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絶賛51
好評94
普通138
不評24
酷評11

TOTAL 318 reviews

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